素敵な女研究部・アメリカ編

首都圏でアメリカ生活を満喫しつつ、いい女を目指すブログ。

どの国が一番いい国か

最近ツイッターを見ていると、出羽守の皆さんの中でも、「日本終わった派」と「実は日本はすごいんだ派」に分かれている。そしてそれをフォローしている人たちはそれぞれ、出羽守が情報とコメントを流すたびに、「やっぱりそうですよね!」という感じの合いの手を入れている。

 

何が奇妙かというと、

 

なんていうか、双方とも、「自分の考えは正しかった」と信じたいようなのだ。そしてそれぞれ、自分の考えが正しかった証拠のようなコメントを見て、「それみろ」という感じで吠えている人をよく見かける。

 

どっちが正しいのか?

 

 

いや、正解はないんだけども、私が答えを出すなら、「どっちもちょっとずつ正しいが、どっちも全面的に正しくはない」だろう。それぞれ恣意的に取り上げた、真実の一部分だけを手にして、自分は正しかったと感じたいようだけど、どちらも真実をまるっとは見ていない。見ようとしていないのかもしれないが。

 

結局、アメリカ在住歴も19年になってくると、「日本、やっぱりすげえな!」「いや、まじで日本ないわ」を何周か繰り返し、最終的に、この世にユートピアはないな、というところに落ち着く。

 

まず日本。日本の温泉と料理は素晴らしい。これは鉄板、非の打ち所なし。あの丁寧なサービスも、もう「チップあげたいんですが」って言いたくなるくらい。ゆりかごの中にいるみたいだ。あの風情ある京都の嵐山や貴船神社近くで食べる川床、夜の先斗町。もうとにかく情景が色とりどりで美しい。着物の色や浴衣の色。かんざし。全てに風情がある。アメリカ人がガサツの代名詞に見えてしまうくらいだ。そして何よりも、友達がいて家族がいる。これは輸入もできないし、お金には替えられない。基本的に人のものを盗むことについて悪いことだと思ってる人が多いし、粛々と集団行動できるので、面倒な主張をしだす人も少なくて、秩序立っている。事務処理も早いし確実。

 

でも、政治リテラシーは低いし、お上&下々システムな上に集団行動が十戒のように信じられているので、人生を自由に生きたい人にとっては、その点とそれに関係する諸々のポイントに関しては、まぁかなり最悪である。人への期待値も高くて疲れるし、みんなで縛りあっていて息苦しい。好きな服が着れないのも窮屈。みんな周りの目を気にして生きている。日本の価値観そのものが、人を縛る監獄みたいだ。議論ができる人が少ないので話がつまらないと思うこともある。あの異様な時間厳守は宗教か?と言いたくなる。いや多分、宗教だ。

 

翻ってアメリカ。自由で素晴らしい。自分の力で人生を駆け抜けたい人にとっては最高。しのごの余計なお世話を焼いてくる「みんな」もいない。空港に戻ってくるたびに、やっとギュッとトランクの蓋をするみたいに小さくたたんだ翼を、バッと大きく広げ、また大空を舞うことができる気分になる。政治は面白いし、直接選挙で大統領を自ら選べるという醍醐味も素晴らしい(これは私だけか?)。とにかく、他人からしのごのいちゃもんをつけられず、自分が自分らしくいることに対して、誰も文句を言わない国。その辺で余計なエネルギーを使わないという意味では最高。人生が、自分のものになり、自分で自分の人生を設計できる。道をゆけば知らない人が助けてくれる優しさもある。

 

だが、映画『Sicko』なんか見た直後だと、早々にヨーロッパに逃げ出したくなるくらい、医療面では最低の国だ。夫くんもまさかの医療過誤にあったばっかりだし。医療面では何から何までかなり最悪だ。怪我や病気で弱ってる時くらい、戦闘態勢解除して誰かに委ねられる安心感が欲しいのに、そんなものはない。医療保険屋が手ぐすね引いて待っている。お金はいくらあっても足りない。なんで親知らずを抜いたら医療保険持ってるのにその上で10万円なんだ?そしてもちろん食事はもう…美味しい食事なんか知らなかった方が幸せかもしれない、ってくらい、やっぱり繊細さに欠ける代物しかない。最近はポテチを野菜認定するくらい、舌の感覚が麻痺している。労働環境ときたら、2週間でお互いクビにもできるし退職もできるという、流動性ありすぎの、ウェットさゼロの待遇。シビアというかドライというか。クビなんて簡単に飛びまくる。

 

じゃヨーロッパはどうよ、となると、いや、アジア人にとっては住み心地はどうなんだろうか。昔縁があってドイツにはよく行ったりちょっと住んだりしたけども、やっぱりヨーロッパ人には、白人がこの世の標準みたいな感覚があるように感じた。歩いているだけで「チン・チュン・チャン」と中国人をからかうような言葉をかけられたこともある。彼らにとっては、私たちは黄色くて目の細いアジア人でしかないのかなと思ったことがある。むしろアメリカの方が、外人だろうが何だろうが、扱いは同じだと感じたくらいだ。アメリカに長く住んだ後にイギリスに移住した友人が、イギリスの階級社会がいかに鉄壁かを知り、アメリカなんて単純で楽だと言ってた。

 

でもヨーロッパの手厚い福祉や労働環境は羨ましい… それに食事も美味しそうだし、あの古い建物が良い。欧州から帰ってくると、アメリカの欧州風の建物が、レプリカみたいにチープに見える。パリのクロワッサン。スペイン男子の背広姿の美しさ、フランス男子のスーツのセクシーな着こなし!アメリカ人のスーツ姿ときたら、ダボダボでモスグリーンみたいな最悪の色に、下手すると肘当てまでついた情けないのを引っ掛けてる。日本人は日本人でみんな黒か紺しか着てなくてアリの軍隊みたい。歴史ある国の風格は、やはり見よう見まねでは身につかないのか。やっぱりおしゃれなのは欧州。

 

中南米はというと、長くなってきたので割愛するが、人生をどこどこまでも楽天的に考え、今日と明日くらいのことしか考えないで生きていけるのは素晴らしい。メキシコなんか人を輸出できるんじゃないかと思うくらい、素晴らしい人たちだ。だがあぁも経済規模が小さいと、そこらへんの会社の社長くらいでは、あまり海外旅行はいけない。つまりホイホイ日本帰国できない。

 

中東は… アフリカは… と言いたいが、住んだことも行ったこともないので、ここは不明。

 

何が言いたいかというと、結局、どこに住もうと、まぁ何かしら、問題はあるんである。

 

差別もある。イケてない面もある。旅行でいけばキラキラしている国だって、住めば住むほど、パッと見ではわからない社会構造の歪さを知り、嫌になることがあるなんて、多分どこも同じなのだ。どこに問題があるか、が違うだけだろう。自分にとってあまり重要でないポイントが問題の場合、気にならないというだけだ。だから、その一部をとって、「ほれみろ、アメリカは最悪じゃないか」とか「それに比べて日本は」というのは、あまり意味をなさない議論なのだ。

 

強いて言えば、どこででも住める能力を身につけると、どんな国でも楽しめるので、それが一番最強の生き方だ。相手を変えようとするのではなく、自分が相手に合わせてうまく波乗りできるスキルを身につける、ということでもある。それには、柔軟さという武器を手に入れる必要がある。

 

もしも日本が息苦しいと思っている人がいるなら、まずはとりあえず何語でも良いので、語学をマスターすること、専門分野を持つことをオススメする。何かそういう武器があれば、日本以外の国で、その国のイケてない部分と付き合いながらも、今とは違う環境で生きていくという選択肢ができるから。

 

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日本酒!!!これだけは、アメリカでは高すぎてしょっちゅう飲めない。スーパーで2000円くらいでいくらでも売っている環境が羨ましくて仕方ない。

 

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