ワシントンDCのビジネスデート
今日は、DCでおじさんとデートしてきました。ふふふ。
…ていうと、なんだかちょっとあれ？という響きがあるかもしれません。でもワシントンDCというのはそういう場所です。ん？どういう場所かって？
DCは永田町みたいな小さい地域で、ここに政治関係者、多国籍企業のDC代表、外交関係者、国際機関、研究者、メディアなどがキュッとまとまって住んでおり、政策を形成するという知的産業だけで成り立つ地域です。ここでは、情報と人脈が流通通貨であり、企業の代表は、ネットワーキング（＝人脈作り）が仕事の（かなり大きな）一部。人を知っててなんぼ、表に出ない情報を握っててなんぼ。その代わり、才能と知性があれば、流通通貨を駆使して、いくらでもエラい人に会え、政策を作る一旦を担うことができるのも、DCの醍醐味。ここでは、何人かどうか、何歳か、女性か男性か、なんて大した問題ではありません。政策が好きな人にとってはネバーランドで、本当にワクワクする街です。ついに女性の副大統領候補も出ましたしね！
そういうわけで、DCの日本人ビジネスコミュニティも、半分ビジネス、半分個人として付き合うことが多いです。一緒に週末は遊ぶし、情報交換もする。逆にいうと、ビジネスと個人の顔を使い分けるのが難しいのですが。だから、DCでビジネスをする女性としては、オジさんと昼でも夜でもご飯を一対一で食べるのは普通のこと。だべりながら、人間関係を作っていく。それがDCの回り方の一部でもあります。まぁ、みんな営業部みたいな側面も無きにしも非ず。
ちょっと話はズレますが、性暴力被害を訴えた伊藤詩織さんも、仕事の話をするためにテレビ局のDC局長と夕飯を食べたわけですが、正直、DCで生きる者としては、そんなのDCの常識の一丁目一番地。ご飯も食べるしお酒も飲みます（大酒は飲みません。それじゃ仕事人としての自分の品位を保てませんからね。それもDCでは常識です）。ですから、それを持って枕営業、というのは、DCを知らない人だからそういう発想になるのだろう、と思います。
Again、DCでは当たり前のこと、レストランに行って周りを見ればわかるでしょう。むしろ、DCのビジネスマンは、レストランのリストは頭に入っていて、個室があるレストランや、あまり特定層（議員スタッフとか弁護士とか）が来ないレストランなども把握していて、シチュエーションごとに、予約をどこに入れるか考えているものです。こんな小さい地区なのにDCのレストラン業界が結構発展しているのも、ビジネスで使う人が多いから。とにかく。「今度会いましょう→何が好きですか→予約しておきました」は、朝の新聞をサラリーマンが読むくらいの頻度でよくあるルーティンです。
それにしても、異性とのデートって適度にすべきものなのではないかと思います。既婚の中年がちょっとしたデートで浮気に意図せず流れてしまうのは、デート慣れしてないからというのもあるんじゃないかしら。DCのように、環境的に異性と一対一でビジネスディナーなんていくらでもあると、「デート」とすら思いません。おごっていただいても、です。もちろん、ビジネスの話だけをしているわけではないのですが、慣れているので、その程度のことで揺れたりはしないんですね。
昔読んだフランス女性がなぜ素敵なのか、について書いてある本にも、（意外とその辺が硬い）アメリカと違ってフランスでは、大人のパーティではわざと男女が交互に座り、妻が他の男性と話す機会を作るそうです。そこでちょっとflirtyな会話をして周りの男性を魅了する妻を見て、夫は改めて妻の魅力を再発見して、ホット🔥でスパイシー🌶な関係を維持しているのだとか。
そして、オジさんとビジネスデートをしても、何も聞いてこず信頼してくれている夫も、さすがだなと思ったりします（誰と何をするかという予定はお互い開示しています）。お主、やるな。
さてさて、コロナでいくつかお気に入りレストランも潰れてしまったので、またコロナ後はレストランリストをアップデートしなければ…
追記：
おっと… イキって書きましたが、伊藤詩織さんの件は、夜ご飯を食べたのが問題ではなくて、そのあと「ホテルに行った」のを「枕営業」と揶揄したってことですね。（何れにせよ、ホテルに行ったのは本人の意思だったのか、デートドラッグが使われたという主張をどう判断するのか、という肝心な争点を完全に無視してますね。）
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