素敵な女研究部・アメリカ編

首都圏でアメリカ生活を満喫しつつ、いい女を目指すブログ。

鎮魂歌

ある友人が亡くなった。

 

このご時世なので、コロナか?黒人だからか?と瞬時に考えたことは悲しいが、遠いヨーロッパの旅先での感電死だった。しかも私が知らない間に、4ヶ月も前に。

 

付き合って数ヶ月で、日本に一時帰国していた私から、Skype電話中に「ねぇ、日本に私と移住しない?」という爆弾のような思いつきのプロポーズを受け、「朝4時で疲れている人に、いう話じゃない。そういうことは相手の時間を考えてからやれ」とあとで叱ってくれた人だった。

 

私よりも10個も下だけど、写真家・起業家・アーティストとして才能と起業家精神と冒険心に溢れた人だった。アーティストらしい、芸術のようなディナーも自分で料理してくれたっけ。これを過去形で書いていることが辛い。

 

私の爆弾プロポーズをにべもなく断ったのでなんとなく腹が立ち、そのまま関係は終わったけども、ユニークで貴重な宝石のような人間で、人生の宝箱に置いておきたい友人であった。

 

数年して私は婚約し、フェイスブック上ではつながっていても、彼とどうにかなるということは全く考えていなかったし、意図的にこちらからは連絡はしなかったけれど、この人と知り合ったことに感謝していた。そのうち、ちゃんと距離が保てるなら、いつか友人としてカフェで再会しても良いし、多分話さなくても、お互い人生の大冒険をしているのを応援していることは知っている、そんな関係だった。

 

本当は何度か再会しようと思えばできる機会はあったのだけど、まだちょっとなんとなく早い気もしたし、結婚したばかりの夫くんに余計な心配はさせたくはなく、その機会は指からすり抜けていくように、スルリと流れていった。最後にもらったメッセージは、二度と会えなくなる1ヶ月前。2ヶ月前の私のメッセージへの返事をヒョイと突然よこしてきたけど、返事する必要もないものだったのでそのままになっていた。

 

そして今日、たまたまフェイスブックの友人リストをざっと見ていたら彼のプロフィールが目にとまり、そういえばどうしているかなと彼のページを開けてみたら、お葬式に関するポストが目に入った。今回はお葬式の写真を撮るのか?何のプロジェクトを今度はやっているのか?だがそれは彼のお葬式だった。

 

自分より10も年下なので、まったく予期できてなかった。

 

私はお葬式に出たことがなく、周りで亡くなった近しい人も数少ない。だから「もう二度とこの人に会えないのだ」という感覚を理解できないでいる。このお葬式が、彼のためのお葬式である、と理解するのにすら、しばらく時間が必要だった。

 

疎遠になっても、もうあまり会うことはなくても、それでもフェイスブック上ではつながっていて、どこかで元気にしているのを知っている。そういう人は何人かいる。でも、この彼は、もう二度と会いたくても、何がどうひっくりがえっても、この世にはもう存在しないのだ。

 

 

人の命は儚い。

そんなこと、さすがにこの年になれば、知っている。

でも、生きていること、今同じ時代に世界のどこかで生きていること、そのことがどれだけ奇跡的で貴重なことなのかを、二度と会えなくなってから、涙で心に刻んでいる。

 

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RIP. You inspired and touched many people's hearts, including mine. You're really missed...

 

 

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