割れた皿事件と国際結婚の難しさ
国際結婚について普段どうこう思わないけども、やっぱり国際結婚なんだなと大変さをリマインドされる時がある。それは、本当に些細なことについて「常識」の違いを感じた時。
皿割り事件リターンズ
ちょっと前に、アメリカ人あるあるに「謝らない」という点を指摘したばかりだが(↓)、
またも小皿が割れる事件が発生した。
なんと日本から買って持ってきた、可愛いペアのお小皿。いや、考えてみれば、100円ショップとかのやつですよ。でも、こっちの無駄に6ドルとかするセンスのない「アジアっぽい」お皿よりも、100円ショップの和食器の方が断然、陶器としてデザインがまともなのです。値段じゃない。
とにかく。それが割れた瞬間がまた問題で。
ダーリン、即座に
「マジか!なんでこんな置き方するんだ!!!」
とお怒りに。
洗ったお皿を置くスペースは限られているし、四方を囲まれたものではないので、小さいお椀型のお皿を一番下にして、ロシア人形式に大きな丼を重ねて置いたのだけど、それが問題だとのたまう。
とりあえず謝らないアメリカ人
私からすると、1)すぐに人のせいにする典型的なアメリカ人の悪い癖が気に食わないと同時に、2)「なぜ、お皿を上から取り上げないのか?」という疑問が湧く。
そもそも・・・「あ、ゴメン!」の一言が聞きたかっただけなのに。お皿くらい割れることもあるんだから、別に怒ったりしないのに。でもそれを指摘すると「割るつもりじゃなかったんだ(I didn't mean it)」とまたアメリカ人あるあるの言い訳をぶちかます。このフレーズ、アメリカではよく聞きますが、当たり前だ、バカ!!割ろうとして割ってたら、これは別の問題。訴訟社会なのはわかるけど、そして文化的背景があるのも理解しているけれど、とにかく割ったのはそっちなんだから、家の中でくらい「あ、ゴメン!」て、とりあえず謝ったらいいのに。
常識の違い問題
そして次に、私からすると、洗ったお皿を置く台は大きくはないんだから、陶器なら丁寧に上のものから取り除けていくのが当然だろうと思う。四方に囲いがないので、サイドから転げ落ちる可能性も考えると、小さいものの上に大きいものを重ねる、というのが論理的な帰結。「日本では常識」と言えるかわからないけど、普通の行動範囲ではないかしらん?
ところが、彼からすると、お皿を取るときは、上に持ち上げて取るのではなく、横にスライドさせて取るものであり、まさか入れ子になっているとは思わなかったらしい。重ねたら見えないから落とすだろうことを考えない私が悪く、「なんでこんな置き方するんだ」と怒ったという。さらに、「落とす人がいるから、重ねたお皿が見えないようなやり方でお皿を重ねないこと!」とわざわざお母さんに教わったのだとか。
あぁ、もう… ____orz____
こういうところなんだよね、国際結婚の難しいところ。
ある程度場数踏んで、時間を一緒に過ごした相手なら、男女の差、育った環境や教育の差、などから生まれる、行動の違いというものは理解した上で結婚していると思う。
でも国際結婚の場合、そこにもう一層、「文化の違い」というやつがかましてあって、それが「家で靴を脱ぐかどうか」「銃規制についてどう考えるか」みたいなわかりやすく表面化しやすいやつとは限らない。というか、わかりやすいフラッシュポイントは既にクリアした上で結婚するのが理想だと思うが、意外とこういうマイナーなやつの方が、後から後から、ちょっとずつ出てきては、一戦を交えなければならないので、結構疲れるし、些細な問題なだけに萎える。
今回も結局、お互いの「常識」と「仮定」が大きく違うポイントをまた発見したね、という結論になった。ケンカしても仕方がない。私は陶器のお皿はその周囲を持って取り上げるものと習い、狭い場所に置くなら重ねるのが普通だと理解していたんだし、彼の場合は、そうするとむしろ落とすから、わざと重ねないものだと理解していた訳で。お互い「これが普通だろー」と信じ込んでそもそも疑っていないので、まさかそんな行動をとるとは、と相手に腹が立つ。でもこういうマイナーな行動の違いは、マイナーすぎていちいち事前に確認できないので、結局こうやって失敗してちょっとドンパチやってから、「あぁ、お互い違う環境で育ったんだな」と往々にして文化的な影響を色濃く受けた仮定(assumption)の違いを1つ1つ見つけては潰す、ということになる。
ある知り合いは、9.11のすぐ後に夫氏が銃を整備し始めたのにショックを受けて離婚したと言っていた(ニューヨーク市での話)。元軍人の夫氏からすれば、テロが身近に発生したとなれば、万が一に備えてアメリカ的に自衛しなければと思ったのだろうけど、普通の日本人からするとそういう思考回路にはなりにくい。このように、何か事件が起きて初めて表面化する、お互いの考え方と行動の違い、というのも結構あるものだ。
いや、面倒くさいですよ。マジで。はい。
日本人同士だって、男女の差、教育・育ちの差、諸々、色々と行動は違う。でも、最低限、日本人の間で共有されている常識的な行動というものがある。だから、100%以上の愛情がなかったら、相手を理解しようという不断の努力がなかったら、普通に文化的違いポイントは考えなくて済む日本人と結婚した方がよっぽど楽!まぁ、だからこそ、国際結婚するなら、できれば国際恋愛を数回はやってみて、どれだけ大変なものかをよくよく理解した上で結婚することをオススメする次第である…。
ケンカの後はフォローアップが大事
ま、でもお皿なんて、割れるものだし、買えば良いのだけど。
急に人のせいにされたら、何語だろうと私も黙ってはいないので、ディベート経験豊かなメリケン男子相手に、論理的に冷静に言い返します。私たちの場合、多少ヒートアップしたとしても、問題はその場でハッキリ説明し、その場で解決する、というスタンス。でもやっぱりこの負のエネルギーはちょっと疲れるから、あーーーーガッカリ!せっかく彼が作ってくれた美味しいスープもちょっと冷えてしまいました。
こういう時は、お互いちょっと自由時間を作って疲れを落として、それから積極的に、お互いに対してスイートな時間を作るのが良いですね。
今日の夜は彼にマッサージしてあげよう💕💕💕
だって、大好きだから、理解したいし、本当はケンカしたくないんだもの。