いちいち気にするな?(アメリカで生きていく術)
在米20年と言うと、「もうアメリカ人だね!」なんて言われることがある。
確かに「英語はペラペラ」だし、アメリカナイズされている部分は多々あるけど、それでも三子の魂なんとやらなのか、全然アメリカ人になれない(&慣れない)部分もたくさんある。
サービス業
どうしても慣れないのがサービス業。
例えば、先日。
ホームデポで見つけたペチュニアの中で、紫色の鉢だけが花をつけておらず、「この花はもう終わったんですか、それともこれから咲くんですか?」と花に水をやっている店員さんに聞いてみた。その答えは、
「私は水をやってるだけなんで、知りません」
え… 植物担当じゃないの??
またその言い方が、むしろ、一般の買い物客にお店のことを聞いてしまったのかと勘違いするくらい堂々としている。
で、今度は別のホームデポで、「この製品を探しているんですけど、見つからないのですが」と聞いたところ、レジの店員さんは「61番の列にある」と仰る。「いや、そこはもう見たんですけど、なかったんですよね…」と返したら、その返事は、
「とにかくそこにあるから、自分で探さないと。」
(You gotta look for it.)
それも父親が子供に言うかのような口調。
え?あなたの仕事は何?!このお店で仕事をするために雇われてるんじゃないの???
…と思いますが、ま、イラッとはしつつも態度には出しません。こんなのまぁ日常茶飯事なので、いちいち全員に「その態度、失礼じゃないですか?」なんてやってたら、アメリカでは何も進まない。
スーパーの地下駐車場に閉じ込められたり
でも先日はキレるを通り越して、ちょっと怖い思いをしました。
DCまで運転した帰り、その辺によくある某チェーンスーパーの地下の駐車場に駐車して、買い物しようとしたところ、私が駐車した直後にお店がちょうど閉まってしまいました。お店が駐車場のシャッターを閉めた時には私は逆にちょうど閉まったお店の地上玄関の前にいまして、中の店員さんにお願いして、お店の玄関から地下の駐車場に戻れるように丁寧にお願いしたのですが、その瞬間からひどい悪態のつきよう。「あんたのせいで仕事ができないじゃないか」というようなことをひたすら私の横で愚痴られました。
その後、今度は駐車場から出ていくための駐車券を通すところが時間外ということで作動せず、困ってしまいました。するとその店員さん、「そんなことは知らねぇ。あんたのせいで、店の玄関を開けたままにしているので、むしろ自分のクビが危ないじゃないか。あんたに法的責任がある」と散々悪態をついた上、お店の玄関に鍵をかけて去っていってしまいました。
シャッターが降りた駐車場からは出れず、お店にも戻れず、しかも地下だったので携帯の電波も通じず。さらに時刻は夜の11時半近く。このまま朝まで誰にも発見されないのかも?というかトイレどうしよう?と少し焦りましたが、ギリギリ地上出口のシャッターの近くだけは弱い電波があったので、そこで見つけた「時間外の際の連絡先」に電話して、途切れ途切れの中居場所を伝え、40分後に駐車場の管理会社の人が来てくれて、助かったのでした(待ってる間、冷静さを保つためも兼ねて、立ったまま筋トレしてました笑)。携帯の電波が通じないところに閉じ込められる、というのはちょっとヒヤッとする経験でした。
これ、色々と安全面で問題のあるお店側の行為だと思いますが、それは一旦置いておいて、私が解せないのが、
なんでこんな風に言われなきゃいけないわけ????????
です。丁寧に接したお返しがこれ。むしろアメリカでは相手に丁寧に接するなんてやめて、ヤクザみたいに、「テメェ、開けろやコラァ!」と言った方が解決するんだろうか。私が180センチくらいの白人の筋肉ムキムキの男性だったら違うんだろうか。それとも英語がネイティブだったら違うのか?白人女性だったら?黒人だったら?!??ていうか、そういう問題???
正直、すごく悔しいです。
日本の「お客様は神様」文化はやり過ぎだし弊害も多いと思う。
でも、何はともあれ「お客様、大変申し訳ございません」と深々と頭を下げてくれる国、なんだかんだ笑顔で丁寧に対応してくれる国で育ってしまうと、「これお願いします」と言ったらいきなり顔面パンチ喰らうようなこの対応には、どーーーーーっしても、慣れることができません。しかも経験上、これくらいの失礼な人、珍しくはなく、そこそこいます…。
で、どうする?
夫氏曰く、
「君は敏感すぎだよ。いちいち気にしない方が良いよ(don't take it personal.)」
「それに君はちょっとナイス過ぎだね。適当にあしらっても言い返さないだろうって思われてるかもよ。」
ですと。
なんだと。なんだと!!丁寧に接したら(日本では普通の丁寧さですよ?)、甘く見られることになったってこと?
それならそれで、威厳ある感じの凄みのオーラを纏って対応することもできますが、郵便局、スーパー、その程度の日々のルーティンの範囲内で行く先々でそういう対応をしなければならないのは、なんだか疲れる。ここはスラム街か(いや、アメリカの中流社会…)。
まぁ、そんなわけで、アメリカにはもちろん、素晴らしい人たちもたくさんいますが、そうでない人もゴロゴロいて、それに対応していくには、交渉力を身につけ、相手の嘘を見抜き、踏み台にされないだけの凄みを日常的に使えるように強くなり、なんなら訴訟もし、といった生活に慣れていかなければならない。英語力云々どころではありません。あぁどんどん強くなっちゃう… (T T)
在米20年なのにー。まだまだ戦闘能力たりてないな、と感じつつ、ちょっと疲れたな、と日本が、母国が恋しくなってしまいました。言語力でバカにされない場所。日常的なことにおいて、ある程度期待通りの反応が返ってくる場所。くそー。今週末は日本人の人たちとBBQなので思いっきり愚痴って、日本語しゃべって、この凹みを回復してきたいと思います。自分、お疲れー。