母の気持ち
うちの母は、多分、世界で最も敵に回さない方が良い種類の人だと思う。なぜなら、彼女は愛する家族を全力で守ることにかけては天下一。怒り狂った時の母は、さながらドラゴンが火を吹いてるかのようだ…と子供ながらに思ったことがあるくらい。多分、私と弟に危害を加えようものなら、まぁそいつは生きてはいられないだろう…と本気で思えるくらいである。数々のエピソードは母のために控えておくが😂😂😂。
でも、実は私は20代の頃などは、そうやって母が全力で私に1ミリも危害が加わらないように守ってくれたことは、私にとって良くなかったのではないかと思っていた。
小学校1年生の時に若干意地悪い友達がいた時も、当の私はなんとなく嫌だな〜困ったな〜くらいに思っていたみたいだが、なぜかその子たちのグループとつるんだままでいた(シャイでおとなしい子だったんですよ、昔は!!)。で、ある日、そのグループと一緒に下校してきた私を、雨の中傘をさして仁王立ちで待っていたのは母で、その場で意地悪な子にガツンと言ってくれ、私はその状況にただビックリしていた。今でもその母の立ち姿は鮮明に思い出せる。その後、意地悪少女とはつるまなくなった記憶。
(母、こんな感じで立ってた)
中学校1年の時だって、あまり嬉しくないあだ名がつけられてしまって何も出来ずにいたら、母が学校の先生に言いに行ってくれ、またまた何もせずとも、あだ名問題は勝手に解消してくれた。
でもその結果、私は自分が嫌だと思っている気持ちに対して敏感にならず、その状況を打開するために自分で行動することを学ぶ機会を失ってしまった、と思ったのである。なんだかんだ母が守ってくれたせいで、私はNOをハッキリと言うべき時に言い、自分に対して嫌な態度をしてくる人に対して、毅然とした態度で「やめろ」と言う勇気と行動力を身につけられなかった。その辺の自分軸もぼんやりしたまま、自分を大事にするとはどういうことかもわからないまま、育ってしまった。その結果、むしろ失ってしまった、失いたくなかった友情もある。
そんな風に思ってた時期がある。
とはいえ、ここメリケン帝国では、そんなぼんやりした態度では生き延びられないので、渡米後はどんどんと自分の立場は明確にし、相手に対してハッキリものを言えるスキルが身に付いてきたと思う。実は、アメリカに育ててもらった部分は、結構ある。
(メリケンライフも20年越え…)
で。
全然話は変わるんですが、実は最近うちの猫姫さんに興味のあるオス猫数匹が現れたようで。1匹はタキシード。めちゃくちゃダンディで紳士。もう1匹はオレンジ色の縞模様で、ブサメンかつアロハシャツが似合いそうなヤクザ風。どっちもうちの近所をテリトリーとしている。
で、オレンジ氏が一度うちの姫を家の戸口まで追いかけてきたものの、夫が現れて逃げていった事件が起きた。数日後、道端でたまたまオレンジ氏を見かけた時、私がとった行動は・・・距離を保ちながら威嚇、でした。もちろん手は出しませんが、「あんた、うちの子に何かしたら、タダじゃ済まないわよ」という厳重注意メッセージは伝わったはず。😤
(オレンジ氏はこんな感じ。体つきはもっとズッシリしてる。)
また玄関でシャーっとなっているうちの姫に気付いて、慌てて見にいったら、今度はタキシード氏(↓)がいた時は・・・即座に「シャーッ」と猫ばりに歯を見せて、脅してました。気がついたら、私が、猫相手に。😂😂😂
そう。
この黒猫ちんは、もうかわいくて可愛くて仕方ない、私の相棒。この姫にちょっとでも怪我させようものなら、相手が猫だろうがワニだろうが警察だろうが、タダじゃおかねぇ!!っていう気持ちを全身で感じてしまい、ふと、私を全力で守ってきた母の気持ちは、これだったのか…とわかってしまったのです。
母は反面教師にして、自分の子供には、
「泣きべそかいて家に戻ってくるんじゃない!やり返してこい!」
と叱咤激励して、相手に自分をいじめさせない力を身につけてあげるのだ!」なんて、頭では思ってたのに。
猫ですらこのザマですよ。
自分の子供だったら?
当然うちの母同様、全力でかばうし、戦うでしょうね。はい。子供が怪我しながらも、自力で立ち向かうまで見守る勇気なんて、そう簡単には出てこないかもしれない。
そしてふと、母もそうやって、全力で私を愛してくれてたんだな… と思い至ったのでした。色々母のせいにして、ごめんやん…。
当然ですが、夫に対して危害を加えたり、何かしてくるやつにも一切、容赦はしません。そんなやつは覚悟した方がいい。
で、こういうところも、ふと考えれば、母譲りなのだろうな…。結局、血は争えないのか、彼女の生き様が私の生き方にも影響しているのか。
母、私が生まれてから今まで、ずっとずっと、たくさんの愛情をありがとう。
(って今度会ったら、言うね。言えるかな?…言える時に言っとこうか。)
みなさま、良い週末を✨💖🐈⬛