先日、『プラダを着た悪魔』を見た。
以前も見たので2回目。
最初に見たのはいつだったか、大昔で、たまにクリップだけ見るのも好きだったし、今度後続版が出るらしいとのことで、記憶をブラッシュアップしたかったのもある。映画版は2006年公開ってことだから、まぁ2000年代後半で見たんだろうな・・・
簡単にWikiから筋書きを抜粋。
名門ブラウン大学(映画版ではノースウェスタン大学)を卒業し、ジャーナリストを目指すために田舎からニューヨークへとやってきたアンドレア・サックス(アン・ハサウェイ)(以下アンディ)は、なぜか幸運にも世界中の何百万人ともいえる女性の憧れとする仕事、ファッション雑誌『ランウェイ』の編集部・編集長でファッション業界に絶大な影響力を誇る、ミランダ・プリーストリー(メリル・ストリープ)の第二アシスタントとなった。
だが、ミランダは仕事の用事だけでなく、自身の私生活や、自分の身の回りの世話までもをアシスタントに押し付けるなどの横暴を発揮する最悪の上司であり、今までに何人もがこの仕事を辞めていたのであった。ファッションには何の興味もなかった彼女であるが、本来の目的である「文芸誌での仕事」への足がかりとして、彼女の悪魔のような要求に耐え、成長していく。その中でアンディは、ファッションとアシスタントの仕事の面白さに目覚めていく。
(引用元:プラダを着た悪魔 - Wikipedia)
以前見た時は、洒落たシーン、洒落たBGMと程よいスピード感、大女優メリル・ストリープ様の怖すぎでカッコ良すぎる演技、アン・ハサウェイのピッタリな役所に、なんていうか「素敵な作品の1つ」という印象だった。メリル様の「That's all」の冷たい感じもハマるし、アンディがオシャレになっていくのがカッコいい。NYCを洒落た格好で闊歩しているのは素敵だ。私もやってみたいぜ。
(マドンナの"Vogue"のBGMでのこのシーンはカッコ良すぎる)
そしてこの冷たい目線よ!🤣
が。
今回見てみたら、あまり面白くなかった。
というか、見ていて痛々しくて、疲れてしまった。
理由はハッキリしている。
初めて見た時と違って、アンディの様なめちゃくちゃな仕事の仕方を既に自分がもう経験したからだと思う。
それに、そうやってものすごいプレッシャーの中で凄腕に成長していく有能な女性は今も何人も見ている。頭の良い女性はこの世にたくさんいて、めちゃくちゃやる傾向にある気がする。女性の(あくまで)一般的傾向として、細かいことに気づくし、完璧主義だし、真面目なだけに。
でも、そういう頑張り方は、アンディと同じように、気付かないうちに、キャリア以外の何かを犠牲にすることになる。家族だったり、愛する恋人だったり、自分の中の何かだったり。アンディの場合、「1年頑張る」と決めていた分、自分がどういう道に向かって生きているのかに気づくのは早かったけれど、実際の世界で、1年で気づける人は何人いるのだろう。
キャリアなんて、1年頑張ったくらいじゃ見通せないことが多いと思う。新人から始めて3年くらいして何が何だか分かってきて、ちょうど20代後半から30代くらいには努力が実って、優秀なら実践的でかなり面白い(つまり責任も重く大変だがめちゃくちゃ有意義な)プロジェクトが回ってくるはず。世界を動かすような、一石を投じるような大きな案件が。そうするとこれまた面白くてやめられない。世界は私の頑張りにかかっているのだ!くらいの気持ちになるし、アドレナリンラッシュでやめようにもやめられない。そういう経験はみんなができるわけじゃないし、任せられたとなれば頑張りたい。
で、そうこうするうちに、30代真ん中なんて、秒で来るのだ、秒で。
それだけ打ち込んでいる分、時間が経つのも早い。
まぁ、私は鈍感な方なので、時間が経つのも早いっちゃぁ、早いのだけれども。
今もそうやって、自分の色んなものを犠牲にしてしゃかりきになって、もう鋭利な刃物のような刺々しさであちこち切りつけながら、走り回っている女性が周りにいる。みんな若い20代後半から30代前半。みんな有能で優秀。
別に後悔はしていない。
私は私なりにやれるベストの選択をしてここまでやってきたのだから。私は不器用なので、いちいち自分でやって失敗してなるほどと思って軌道修正するタイプだし。
アンディだって、ランウェイでの経験は、次のチャプターでめちゃくちゃ役に立つだろうし、ランウェイの1章があってこその次の章のアンディがいるはず。
ミランダは・・・最後のシーンでアンディを見てふっと笑ってから、表情を厳しくして「行きなさいよ!」とタクシーにぞんざいに言う彼女は、もうずっとミランダ路線を突っ走ってきてしまったから、「このまま私は私の道を行くのだ」という決意をしたんだろうか。
女性の生き方って、本当に難しい。
男性じゃないので、男性の生き方も同様に難しいのかはわからないけど、キャリアを追求しつつ、同時に結婚と出産を計算に入れなければならない女性には、選択肢が多すぎる難しさがある。それなのに人生は1回きりのチャンスのみ。失敗したらやり直せばいいと思うけれど、でも現実問題として失った時間は取り戻せない。明確に肌のツヤも生殖機能も衰えるのは、冷酷な現実。そしてたった一つの正解なんてなく、自分で自分の正解を探し、それを信じて生き切るしかない。隣の芝が真っ青に見える日があっても、だ。
そういうわけで、好きな映画の1つだった『プラダを着た悪魔』だけれど、40代半ばまで駒を進めてきた今の私には、ちょっと違うかな、という映画になってしまいました。でも、メリル・ストリープは大好きだし、とりあえず『プラダ2』も見ますよ。逆にどういう話を持ってくるのか、同じ路線なのか、すごく興味があるもの。


