素敵な女研究部・アメリカ編

首都圏でアメリカ生活を満喫しつつ、いい女を目指すブログ。

不妊治療:さよなら卵たち

今週火曜の遅めの朝、携帯を見たら、CCRM(不妊治療クリニック)から電話が2回、留守電が1つ、そしてメールが届いていた。2回も電話ってなんだろう。慌ててとりあえずメールを見てみた。

 

「Unfortunately(残念なことに)」がまず目に飛び込んでくる。あぁ、この単語はいつも不合格だったり不採用だった時に、前置き的に持ってくる不吉な単語なんだよな。そして「none(一つも〜ない)」という単語が続き、それは、残念ながら1つも卵は生き残らなかったというメッセージだった。

 

採卵の翌日にかかってきた電話では、「9個の卵が採れて、うち7つが成熟しており、2つは無事受精した」という話だったのに。ゼロってどういうこと?でも特に理由は書いてなかった。1つも残らなかったという事実そのものに、まぁ理由も何もないのか。

 

涙は出ないんだけど、虚脱感が大きい。

そっか。

ゼロか。

1個でもあれば、希望の光が見えるのに、ゼロか。

9個も採卵できたのに、ゼロなんだ。

9個もあったのに。

9個の卵たち、お疲れちゃん… 

 

病院の先生にはメッセージを残すも、返事なし。電話をわざわざ待ち受け音が鳴るようにして待ってるのに、いやにゆっくりと時間だけが過ぎていく。いや別に先生もこれ以上言うことはないのかもしれないし、私も明確な質問があるわけじゃない。ただ、何かもっとそれについて話を聞きたい…。無駄でも「よくあることですか」とか、調べればわかることでも聞きたい。

この感覚、失恋した時に似てる。相手がハッキリと「もうこの恋は終わり」と言った時に、「でも、でも…」と何か言葉を引き出そうとする時のように、そこに何か希望を見出してすがろうとするように。そんな気持ちで電話を待ってみたけど、電話は鳴らなかった。まぁ、これ以上話すことないよな…

 

別に涙は一滴も出ないんけど、なんだかやる気が失せた。あんなに切腹して頑張ったのに。そして近況を知る親しい友達にすら、報告する気にも、愚痴を聞いてもらいたいという気にもなれなかった。

 

ダーリンもちょっとショックだったみたいだけど、得意の「確率的にはそこまで悪くない」と私が苦手な確率を出してきて慰めようとしてくれた。それ、私には全然説得力ないよ。「養子縁組は5年かかるんだって」と無駄に言ってみたら、「今は目の前にある、まずできることから片付けよう」と。うん。そうだね…。

 

そして

 

「冷凍庫にアイスクリームあるよ?食べる?」

 

だって。

 

私、結構アイスクリームで落ち着くことあるの、よう知ってるな。

でも今日はクッソ寒い日だから、いらないや。でもなんだか、彼なりに私の心痛を感じてくれてるんだなと感じて、救われる気はした。

 

そして、昼から無駄にベッドに潜り込んだ私にハグをしてくれ、「じゃ、僕は仕事頑張るし」と言って部屋に戻っていった。結構な大金が軽く吹き飛んだのに、ゼロ回答。なんだかんだ2回くらいでうまくいくんじゃないかとどこかで思ってた気がする。だから、「自分も稼ぐから大丈夫だよ」と言いたいのかな。そして夕飯は「火鍋にしたい」と言ったら、本当はピザを食べたいと言ってたのにそれも「いいよ」と言ってくれた。こういうところ… 優しいんだよな。私が考えうる、最高の夫が愛してくれてるって状況なんだよな。それだけでも幸せだよな。それだけでも…

 

と、頭の中があまり整理がつかないまま、ぼんやりと火曜日が過ぎていった。

 

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初っ端から結構な試練。完全な拒絶って厳しい。自分で頑張ればある程度どうにかなる学校の勉強や仕事と違って、自分で状況を変えられる要素がほぼない

 

考えれば考えるほど、「女性のキャリア」の話をするなら、同時に「不妊治療教育」もガッツリしておいてくれたら良かったと思う。なんなら、性教育の続きとして、大学で教えてもいいし、成人教育としてクラスを取れるのでも、義務教育の間に教えるでも良い。現実のことなのだから。30代半ば以降は、どれだけ妊娠するのが実は奇跡的か、不妊治療がどれだけの成功率で、どれだけの労力と時間とお金が必要なものなのか、そしてそのほとんどを女性がやらなければならない現実を、女性にとってはキャリアプランと同時並行で頭に刻んでおくことなのではないかと思えてならない。

 

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うちの前にいた鹿。秋は鹿が家の周りをウロウロ散歩していることが多い。

 

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