嫁、初めて感謝祭をホストする:メニューと反省点
は〜 感謝祭ウィーク、終わってしまいました。
私は今年、嫁として初めて夫の家族4人をわざわざニュージャージーから来てもらってホストするという大役を仰せつかっておりましたので、もはや実質月曜の夜から感謝祭ウィークの準備を始めておりました(仕事?は?何それ😂)。しかも家族ホストが木曜で、土曜には友人同士でやるフレンズギビング(Friendsgiving)にまで参加することになっており、もはや頭の中は感謝祭対応でいっぱい。
さらに、フレンズギビングの方はビーガン(肉も魚も卵も食べない)が半分以上という面倒なヤツ。ご両親も豚肉と鱗のついてない魚介類(と彼父は牛肉も)は食べないとあって、もう何出せばいいの状態。流石にこの歳になると、付け焼き刃というのは物理的な無理があることを知っているので、おせち料理よろしく、1週間前から買い出しに行き、少しずつ冷凍食品から作り始めていました。
結論から言うと、全身打撲かってくらい疲れたけど、これでだいたい雰囲気はわかったので、来年もまたやって良いかな、と思っております。そこで来年に向けた反省点を書き留めておこうと思います。
反省点ズ
- 客人がどういう感謝祭のご飯を食べているのか、事前リサーチしておくべきだった。なんせうちは白人でも黒人でもなく、インド・フィリピンの移民家族なので、移民だからこそいわゆる感謝祭料理を食べたいと思っているのか、移民だから気にしないのか、最後まで気になって、予定しているメニューに自信が持てなかった。そのため後から後からあれもこれも一応とメニューに足してしまい、気疲れした。
- 夫のいうことは役に立たない。いや知ってたけど… 「お母さんに、どんな料理を持ってこようと思ってるか、メニューを交換してみた方が良いかな?」と聞いてみたら、「そんなことは気にするな、サプライズが一番だ!😎✨」なんて言う。そうかな、メニューを事前に公開して細かく事前に段取りをするのは日本的な準備の仕方なのかな、と思ってやめておいた結果… 彼ママもわんさか料理を作って持ってきてくれてしまい、もう20人くらい招待したんじゃないかってくらいの料理が机に並ぶことになってしまった。しかも私は予定してた料理を2品も作らなかったのに!
- フレンズギビングもやった結果わかった点として、
- ターキーじゃなくても全然オッケーな人が多い。むしろ本気チキンの方が美味しいし確実だし楽。つーかターキーは「感謝祭だから食べるけど、本当は特に好きじゃない」というアメリカ人の方が私的統計では多い。まぁお節料理みたいなもんですからね。
- クランベリーソースもあまり好きじゃない人は結構いる。
- タッパーウェアは無駄に多めに買っておいた方が良い(メリカの百均、$1ストアがオススメ)。絶対最後にご飯が余り、「是非好きなものを持って帰って!」とあげちゃえるタッパーを用意しておくとGood。
- 絶対、一人で準備しない。うちは彼がリハビリ中とあって、ターキー担当といいつつ、結局アシスタントが必要で、洗い物なんて無理。彼ママが手伝ってくれたので、なんとか最後まで笑顔を保てました。気が利く女子の助っ人必須。
- ポットラック形式でフレンズギビングするなら、各2品持ってくれば十分。それ以上作らないこと!フレンズギビングも、恐ろしいくらいご飯が余りました。
- 正直、パイもいらんかも知れん。パンプキンパイもピーカンパイも美味しいけど、食べ飽きてるからか、意外とそこまで「食べたい!」という人はいなくて、余りまくってた。うちなんてもう角度にして280度分くらい余ってて、あれ誰が処理するんだろう… って感じです。なので、どちらかというと、口の中がさっぱりするフルーツプラッターの方が実際には好まれたみたい。パイを食べてもらいたい場合は、あまりご飯を作りすぎないと良いかも。
- 揚げ物は本当に最後の最後に揚げる。全ての料理を温かい状態で出すのってすごく大変!!品数があればあるほど難しい。でも揚げ物は特に、冷えていると興醒めなので、他のものを並べ始めてから揚げても良いくらい。そういう意味では、冷たい状態で出せるもの(アペタイザーやサラダ)の割合を多めに用意しておく🍆🥑🥒と、温かいものは温かい状態で、冷たいものは冷たい状態で食べてもらえる。
- Welchのボトル入りジュースはお役立ち。宗教上の理由でお酒を飲まない彼家族ですが、やっぱり普通のジュースじゃ盛り下がる。そこで、Walmartで2ドル程度で売っている、ボトル入りのシャンパン風の装丁のスパークリングサイダーを用意しておくと、見た目ポイントが高め✨です。
- 今年は味がわからないので、出来合いのものは買いませんでした。以前、ケータリングだけで済ませたパーティでちょっと盛り下がったことも気になって。でも全部作るとやっぱり大変なので、前もってお近くのケータリングできるお店で味の良いところを探しておくと良いかもしれません。
- 料理のことで頭がいっぱいでしたが、意外と後で必要とわかったものとしては以下。この辺はそれなりのお値段しますが、ギリギリになって安いお店で探してもロクなものはないので、それこそブラックフライデーなどで少し安くなったところで先に買っておくべきアイテムでした。フレンズギビングなら持ち寄りでアルミのトレーに盛っても良いですが、やっぱり家族でテーブルを囲むなら陶器のお皿に盛りたいところ。
- テーブルクロス、テーブルランナー(テーブルにつく場合は特に、見た目を盛り上げます)
- 盛り皿各種(ソースボート含め、うちはあんまりなくて困った!!)
当日は、3時ごろにいらっしゃるのかと思いきや、まだこっちは寝ている朝10時に「あと15分で着くわよ!」と彼ママから連絡がきて大慌て。😱😱😱😱 でも結果的には、早くきて手伝ってくれなかったら死んでたと思うので、結果オーライです!👍👍👍
2021年版メニューと反省点
アペタイザー | モッツァレラチーズ・トマト・バジル | 結局作る時間がなかった。早めに作って冷蔵庫に入れておくべし。 |
アペタイザー | ギンダラのコロッケ | 好評。数日前に作り置き。ただし、解凍させてから揚げると形崩れしやすいので、冷凍のまま低温で揚げる時間を長くして中まで火が通るようにしておくと良い。 |
主食 | ターキー | 夫氏対応。 |
主食 | プライムリブ | 夫氏対応。やはり男性は肉が大好き。 |
副菜 | クランベリーソース | 12lbの半分で良し。 |
副菜 | グリーンビーンズ・ピーナッツソースがけ | ピーナッツソースはアレルギーなどの問題がなければ一般にウケが良い。好評! |
副菜 | ピータンとしらねぎ | 作る時間もテーブルにスペースもなかった笑 |
副菜 | マッシュドポテト | アメリカでは鉄板の1つ。これでコケることはない。マスターしておくべき一皿。 |
副菜 | 焼きナス | 失敗。なんで失敗したかもよくわからないが、失敗しなければ悪いアイテムではない。 |
副菜 | 春巻 | ビーガン肉はビーガンの人にはウケが良いが、肉食の人にはウケが悪い。ビーガンではない人にビーガン肉を出さない方が良い。作り置き冷凍。 |
副菜 | チーズ揚げ | チーズはアメリカ人にも馴染みがあるので、餃子の皮で包んで揚げたものは好評。 |
副菜 | Pancit | 彼ママがお持ち寄り。フィリピン料理らしい。 |
副菜 | チキン | ターキーもビーフも食べない彼父用に彼ママ持参。 |
副菜 | オリーブ | 彼ママ持参。これはアペタイザーとしても結構使えるアイテム! |
副菜 | グリルドポテト | 彼ママがお持ち寄り |
デザート | ピーカンパイ | 彼ママお持ち寄り。お腹いっぱいすぎて誰も食べなかった笑 |
デザート | フルーツプラッター | いちご、ブルーベリー、パイナップルを散らせば見た目的に華やかになる。 |
あ、これに芽キャベツのグリルしたのもあったか。でも、今回、結果として彼ママとキッチンでチームワークで料理・片付けがスムーズにでき、彼ママと仲良くなる良い機会になりました。それに彼ママが持ってきたお料理は普段から食べてるものだろうから、次回おもてなしする時にお出ししても無難なはず。面倒でも気が重くても準備が大変でも、やってみると面白いし、やって良かったな。
ちょっとずつ、素敵な盛り皿や質の良いテーブルランナーを買い集める、という目標もできました。将来、素敵なおうちに移り住んだら(→言霊っ!!)、食器棚もいりそう。
さ、気がつけば12月ももうすぐそこ。
あと1ヶ月、楽しく過ごしましょう!
カミングアウトその後
私の男友達の一人が、以前カミングアウトして、ちょっとビックリしつつ勇気をもらった話は以前書いた。もしかしたら、自分はゲイなのかな、と思うから、ちょっとその線で調べてみる!ということだった。
その後、彼はどうなったか?
実はこの宣言をした数ヶ月後に電話してみたら、何かの趣味を通して知り合った女の子と数ヶ月間付き合い、既に同棲し始めていた。オイ😂。カミングアウト宣言したことで、なんだか心の重荷が取れたようで、それだけでスッキリしてしまったそう。結局彼の場合、「ゲイなのかもしれない」という疑問を抱えたままでいることが苦しく、それを言葉にしてしまうことで、もう気持ちは十分晴れたようだ。特にそれ以上、その世界を知ろうという欲求もないらしく、それはそれで話は終わった模様。
意外すぎる展開だったけど、まぁ、こういうことって、あるかもしれない。心のモヤモヤをずっと抱えていると、特に「XXかもしれない」という疑念を抱いていると、それが心の中で大きなモンスターになってしまう。そうなのかな、そうだったらどうしよう?自分は自分に嘘をついているのかな?特にゲイであることが禁忌のカトリック圏だったりすると、「もしかして」と思うこと自体が既に色々と問題で、心が落ち着かない。
でも、セクシュアリティってそう単純なものではないので、例えば女の子同士でセックスできたとしても、だからレズビアンというわけでもない。性欲・性癖と精神的に人を求めることとは、少し違うのだと思う。彼の場合、モヤモヤを解消すべく、一歩踏み出したことで、結局「そうでもなかった」という発見があり、そして次に行けたようだ。
彼女を作る気はない?
少し話は別だが、以前、少し気になる人がいて、私よりずっと若くてどうしようかなと迷ったことがある。記憶が曖昧だけど、大学でたてのまだ働き始めて1−2年とかだった気がする。すごく頭のキレる子だった。ハウスシェアしてたので、毎日会うし(ていうか隣の部屋だし😅)、気にはなるんだけど… 向こうが私に興味があるのも知っていた。たまに交錯する私たちの視線は、他のハウスメイトと違って少し絡み合っていた。
で、結婚願望とかあるのかな、と彼の感覚を遠回し〜に聞いてみたところ、「まだ若いし、彼女すら作る気ない。しばらくは楽しく過ごしたい」との返事で、それを聞いて私は心の中でそれ以上考えるのはやめることにしてしまった。私の方は既に結婚相手探しの段階に入っていたので、しばらく楽しみたい人とはタイミングが合わない。
ところが、その数ヶ月後、彼はしっかり彼女を作って幸せそうにしていた。そう… 人の気持ちや考えというのは、意外と時と共に結構変わっていくものなのだ。180度変わることだって、あり得る。そして会話の内容・状況によっては、必ずしも本心を全部言っているわけでもない。だから、人が言った言葉をそのまま鵜呑みにして、それを指標に判断するのは、間違うこともあるかもしれないな、とその時、ちょっとしたジェラシーと共に思った。もちろん、「変わってくれる」ことを期待・前提にして、判断するのも良くないので、このバランス・塩梅がなんとも難しいところ。これは色々失敗してみて、感覚を覚えることなのかもしれない。ま、この教訓のおかげで、今の夫がいるのだが。
とりあえず、例のカミングアウトの男友達は、彼女と仲良くやってるし、今度もう少し職場に近いマンハッタンに一緒に引っ越すことや、将来的な話もしているんだそう。もし心にモヤモヤがあれば、彼は私に言ってくれる気がするから、きっと今の関係がうまくいっているのだろう。そのうちNYCで彼女に会うのが楽しみ。
みなさま、have a wonderful rest of the weekend!
妻が浮気しない理由
しばらく前に、ひっさしぶりの出張があった。初めてのニューオーリンズ!コロナで自宅に閉じ込められて悶々としてたので、出張はめたくそ楽しかった。事前にニューオーリンズのコロナの状況を調べたら危険極まりなかったが、それでも夫と二人のために命をかける覚悟で決めた。まぁ行ってみると、案ずるより産むが易しで、さほどでもなかったが。何よりも久しぶりの飛行機、久しぶりの旅。私は飛行機の中にいる時が最も頭が冴えているし、昔から大好きなのだ。職務上の事件満載ではあったが、とにかく楽しかった。
そこでふと考えたことがある。妻が浮気しない原因だ。
それはやっぱり、夫との関係が最高の関係であり、そして夫がいうように、夫を尊敬しているってことじゃないだろうか(↓)。
外に出れば色んな誘惑の機会はあるし、したければ浮気するくらいのチャンスなら結構いくらでもある。必ず夫には行き先や誰と一緒かは伝えているけど、私は自分で仕事を回しているので、男の人と一対一の仕事やネットワーキングも兼ねたランチやディナー、飲みに行くことくらいよくある。日本人がクライアントならなおさら。なんせ日本のオジサンは、まずは飲みに行ってぶっちゃけないと、仕事をスムーズにできない人が多い。私は最初からぶっちゃけているが😂。
そりゃぁ浮気したければ、遠い出張先。黙っていれば、誰にも気づかれない。でも自分の心は知っているし、自分の心に嘘をつけるようになってはおしまい。何より、夫を心から尊敬しているし、今ある夫との関係を別の人と簡単に築けるとも思えない。この世の中、たくさんの人がいるし、若く美しい人は毎日世界に輩出されているのだから、外に出れば魅力ある人に出会うのは当然。惹かれることもあるかもしれない。でも、夫との信頼関係を壊すに値するものはない。そう思えるかどうかが鍵。
まぁそういうわけで、最近では、素敵だなと思う人やただ単に仲の良い男友達と、いかにして、いかなる時も(酔っ払っていようと、心が弱っていようと、夫と喧嘩していようと)プラトニックな友情関係を築き維持するかが大事なのかなと思っている。せっかく出会った素敵な人たちを、男性だからといって切り捨てるのも勿体無い。でもそれには相手にも協力してもらわないといけない。
そして、夫にも、同じように思ってもらえると良いな… だからこそ、結婚してからの女磨き・自分磨きの方が真剣勝負。恋なら落とすまでと落としてから結婚するまでの短期戦かもしれないが、結婚は(願わくば)終わりはないし、永遠に続くような錯覚をもたらす。常に一緒にいると誰もが蝕まれる慣れ・マンネリという恐ろしい病魔を飼い慣らしつつ、日々色んな事件が起こる中で、いかに素敵な自分でいるか。それは結局のところ、自分自身にかかっている。誰でも外見上の歳はとる。そして、夫にも同じように自分磨きを頑張ってもらわないといけない。
このブログのタイトルは「素敵な女研究部」だけども、それはそれぞれが自分で自分を素敵だと思える、そういう自分を目指す、という意味だ。私は、自分と夫が誇れる自分になれるよう、日々切磋琢磨だなと、また思いを新たにした出張だった。
その前提、違うかもしれません
Twitterでよく、ものすごいひどい夫の愚痴を見ることがある。釣りなのかもしれないのだが、例えばこんなの。
- 「妻を求めたら断られた。産後何もせずに手伝わなかった恨みがある、と。たかが数年の寝不足くらい、母親ならみんなやってるのに。(中略)コミュニケーション力ないので再婚できるとも思わないので離婚は無理。こんなんならゴミ出しくらいしておけば良かった。どうすれば挽回できますか」(ゴミ出し程度で状況が変わると思ってるってどうよ…)
- 「嫁の出す冷奴が、生だったw」(え、まさか一度沸騰させて冷ますとか期待してる??)
こんなやつ、私だったらもう、根性から叩き直すか、無理なら即三行半だな。何様だと思ってるんだろうか。
まぁそう思いつつも、女性の方も「どうしてこんな人と結婚しちゃったんだろう」という気もする。こういう人は、結婚前に既にその兆候はあるんじゃないかしらん。
自分の中の常識を過信するな
恋愛・結婚と仕事は往々にして被る教訓がある気がするけど、ここで思い出すのが、コンサル時代に新米ちゃんたちに言ってたこと。人種・性別を問わず、新米の子がだいたいやりがちなのが、思い切り間違った後で「XXはXXだと思ってました」と言い訳するやつ。
うん、そうだね、君の中ではそうかもしれないけど、その仮定・前提で大丈夫か、相手に確認した?
そう、してない。明確な指示がない部分について何通りかの考え方がある場合、自分の中で「ふつーこうだろー」と思ったまま、自分の中の普通と相手の普通が同じなのかどうか、先に聞いておかなかったから、コミュニケーションしなかったら、やり終わってから「いやいや、そうじゃないし」という展開になる。お互い当たり前と信じ込んでいて、何通りかの考え方があるとすら気づいてないこともある。新人ちゃんで最初から先に細かい点まで確認してきた子は一人か二人だった記憶(一人は後に、優秀な外交官になりました)。
だから、新人ちゃんには失敗した後に「自分の仮定を過信しない。細部まで自分のやり方でやって良いのか、必ず事前に相手と意識合わせしよう」と言うことが多かった。
結婚相手選びも同じ
そういうわけで、というわけではないが、私は付き合う前と結婚前のそれぞれの段階で、夫にも相当色んなことを聞いてその反応を確認したが、これはやって良かったと思ってることの1つ。
「もし生まれる子が障害を持っているとわかったら、中絶する方が良いと思う?どうして?」
「もしすごい大金持ちになったら、何にお金を使いたい?」
「もし子供が産まれない場合、養子縁組とかってあり?なし?人種とか気にする?」
「離婚ってありだと思う?どうして?」
「自分のお父さんはどんな父親だったの?ご飯とか作ってくれたの?それってどう思う?」
「結婚したら、お金は誰が管理するのがいいと思う?」
「もし娘が18歳になって、ストリッパーになるのが夢って言い出したら、どうする?」
「私の母は専業主婦だったので、働く母親というのがイメージできない。私は不器用だから、フルタイムでガンガンに働いて、同時に子供にも納得いく教育をする環境を整えられるとは思わない。私は働く人として生きるより、子供を育てる人になりたい。それでもいい?」
と、結構際どいやつまで会話の中に織り交ぜるか、改まって面と向かって「話があります」という感じで話すかして、彼の考え方を知った上で、結婚相手として選んでいる。もちろん、人間なので、将来的に意見が変わることもある。それはお互い様。だけど、彼がどういう基本的な考えを持っていて、どういう筋道・理由でそういう考えになっているか、という価値観は、かなり石橋を叩くように聞いた。特に最後のポイントは婚約前後で何回か確認したけど、これには勇気が必要だった。結構直球だと思うし、「何言ってんの、俺だけに働けっていうの?」と言われて破談になっても、それは仕方ないと覚悟の上だったけど、結婚してから価値観の違いを発見するよりは、良いと思ったのだ。
国際結婚なので、「お互いの常識は往々にして違う」のが普通なので、小さいことでもコミュニケーションをしっかりやることはかなり重要。日々、マジか、これも常識じゃなかったかー😅!と発見の連続だ。不妊治療ですら、何回までやるのが妥当と思うか、意識合わせをしてみたら違っていてビックリしたし。
自分が「こうであるはず」と思っても、相手もそう思うかどうかはわからない。大事なことについては、やっぱり意識合わせをしておく方が、後々びっくりすること、ひどい目にあうことも少ないのかなと思う。なんせ、お互い違うバックグラウンドで育った価値観の違う人間だから、ね!
不妊治療:さよなら卵たち
今週火曜の遅めの朝、携帯を見たら、CCRM(不妊治療クリニック)から電話が2回、留守電が1つ、そしてメールが届いていた。2回も電話ってなんだろう。慌ててとりあえずメールを見てみた。
「Unfortunately(残念なことに)」がまず目に飛び込んでくる。あぁ、この単語はいつも不合格だったり不採用だった時に、前置き的に持ってくる不吉な単語なんだよな。そして「none(一つも〜ない)」という単語が続き、それは、残念ながら1つも卵は生き残らなかったというメッセージだった。
採卵の翌日にかかってきた電話では、「9個の卵が採れて、うち7つが成熟しており、2つは無事受精した」という話だったのに。ゼロってどういうこと?でも特に理由は書いてなかった。1つも残らなかったという事実そのものに、まぁ理由も何もないのか。
涙は出ないんだけど、虚脱感が大きい。
そっか。
ゼロか。
1個でもあれば、希望の光が見えるのに、ゼロか。
9個も採卵できたのに、ゼロなんだ。
9個もあったのに。
9個の卵たち、お疲れちゃん…
病院の先生にはメッセージを残すも、返事なし。電話をわざわざ待ち受け音が鳴るようにして待ってるのに、いやにゆっくりと時間だけが過ぎていく。いや別に先生もこれ以上言うことはないのかもしれないし、私も明確な質問があるわけじゃない。ただ、何かもっとそれについて話を聞きたい…。無駄でも「よくあることですか」とか、調べればわかることでも聞きたい。
この感覚、失恋した時に似てる。相手がハッキリと「もうこの恋は終わり」と言った時に、「でも、でも…」と何か言葉を引き出そうとする時のように、そこに何か希望を見出してすがろうとするように。そんな気持ちで電話を待ってみたけど、電話は鳴らなかった。まぁ、これ以上話すことないよな…
別に涙は一滴も出ないんけど、なんだかやる気が失せた。あんなに切腹して頑張ったのに。そして近況を知る親しい友達にすら、報告する気にも、愚痴を聞いてもらいたいという気にもなれなかった。
ダーリンもちょっとショックだったみたいだけど、得意の「確率的にはそこまで悪くない」と私が苦手な確率を出してきて慰めようとしてくれた。それ、私には全然説得力ないよ。「養子縁組は5年かかるんだって」と無駄に言ってみたら、「今は目の前にある、まずできることから片付けよう」と。うん。そうだね…。
そして
「冷凍庫にアイスクリームあるよ?食べる?」
だって。
私、結構アイスクリームで落ち着くことあるの、よう知ってるな。
でも今日はクッソ寒い日だから、いらないや。でもなんだか、彼なりに私の心痛を感じてくれてるんだなと感じて、救われる気はした。
そして、昼から無駄にベッドに潜り込んだ私にハグをしてくれ、「じゃ、僕は仕事頑張るし」と言って部屋に戻っていった。結構な大金が軽く吹き飛んだのに、ゼロ回答。なんだかんだ2回くらいでうまくいくんじゃないかとどこかで思ってた気がする。だから、「自分も稼ぐから大丈夫だよ」と言いたいのかな。そして夕飯は「火鍋にしたい」と言ったら、本当はピザを食べたいと言ってたのにそれも「いいよ」と言ってくれた。こういうところ… 優しいんだよな。私が考えうる、最高の夫が愛してくれてるって状況なんだよな。それだけでも幸せだよな。それだけでも…
と、頭の中があまり整理がつかないまま、ぼんやりと火曜日が過ぎていった。
********
初っ端から結構な試練。完全な拒絶って厳しい。自分で頑張ればある程度どうにかなる学校の勉強や仕事と違って、自分で状況を変えられる要素がほぼない。
考えれば考えるほど、「女性のキャリア」の話をするなら、同時に「不妊治療教育」もガッツリしておいてくれたら良かったと思う。なんなら、性教育の続きとして、大学で教えてもいいし、成人教育としてクラスを取れるのでも、義務教育の間に教えるでも良い。現実のことなのだから。30代半ば以降は、どれだけ妊娠するのが実は奇跡的か、不妊治療がどれだけの成功率で、どれだけの労力と時間とお金が必要なものなのか、そしてそのほとんどを女性がやらなければならない現実を、女性にとってはキャリアプランと同時並行で頭に刻んでおくことなのではないかと思えてならない。
夫プチ介護で考えたこと
その昔、お金の知識が豊富な少しぽっちゃりした日本人のおばさんがいて、税金関連で色々と教えてもらっていた。自分のことを「俺」と言い、アメリカ人の夫を「おサル」と呼んでいた(おサルは日本人女子にモテるらしい)。
国際結婚の先輩として恋の相談もしていたようで、私は当時デートしていた身長が6フィート2インチ(188センチ)の人のことで悩んでいた。ギリシャ彫刻のようなその人は起業もしてたのですれ違いばっかり。ところがおばちゃんのアドバイスは、「そんなやつと結婚したらどうなると思う?介護のことを考えな。身長差が40センチ以上の大の男を支えたり、ベッドから移動させたり、できると思うの?重いよ?」だった。
まぁ、身長差問題以外にもっと根本的な問題があったので程なくして別れたが、「彼はやめた方が良い」という理由が「そこ!?」と衝撃的だった。色々あって、彼以降、「付き合う人は6フィート(182センチ)を超えないこと」が私の夫候補選びの条件に加わった(今の夫もちゃんと会う前にそこはチェックした😂)。
だが、先日、確かにこのおばちゃんの指摘はあながち間違ってなかったな、と思い知らされたのである。
夫の手術とワンオペ介護
夫氏は二転三転どころか、六転七転した挙句に、やっと9月初めに手術を終えた。大腿骨の手術だったので、手術後は麻酔で朦朧としながら車椅子で運ばれてきた(まぁ日本だったら普通は入院だろうなぁ…)。そして車で家に連れ帰るも、家のまえの10段強の階段を移動するのに、足元も松葉杖もヨタヨタしている大の男を支えるというのが、結構重くて大変だった!うちの犬がお酒を飲んで、四つ足がタコみたいになってた時みたいだ。確かに、夫が今よりももっと背が高かったら、当然体重も重くなるしで、支えきれず私と二人で道に倒れてしまったかもしれない。これはヤバいことになったぞ。おばちゃんの指摘は正しかったか…
で、術後の夫氏は数日は激痛で苦しみ、下に落ちたものを取れないとか、特定の動きができないということで、結構つきっきりの介護が数日続いた。夜中に痛みやトイレで起きたらそれに付き添い、寝れるまで2時間ほど目が半開きになりながらマッサージしてあげたりもした。
いや、これは正直、結構厳しかった。1日中介護で、夜も宿直、加えて日中は適宜仕事、というのはかなりキツい。それに、本人が痛みで苦しんでいる時は、機嫌も悪くなりがち。私のちょっとしたミスにブチ切れたりするもんで、寝不足で千手観音みたいに回しているこっちもキレてしまい、険悪な瞬間もあった。彼の容体の変化も予測がつかなかったので、この「もう無理!」という瞬間も、突然ピークに達する。洗濯+洗い物+仕事に介護がちょっと重なると、ワンオペではすぐに限界が来てしまう。
子育てになったらどうなるのか!
でもさ… なんか噂に聞くと、生まれたばかりの赤子って2時間おきに起きるらしいじゃないですか。こっちは鼻からスイカの産後で調子悪いに決まってるし、夫だって仕事が忙しかったり、体調が悪いこともあるかもしれない。人間、体の調子が悪いと、どうしてもネガティブになりがちだし、イライラしがち。加えてホルモンにもだいぶ影響されるに違いない。これか… これが噂に聞く、産後2年ほどは夫と離婚を考える、という理由か。確かにこれに加えて赤子が耳をつん裂くような声で泣いたら、私もプツッと何かが飛ぶかもしれない。
結局、化粧してない上にパジャマにエプロンという出立ちでヨレヨレの私を見て、近所の日本人の先輩方がサポートグループを作って、差し入れをしてくれた。彼の介護のピークは最初の1週間だけだったので、当初のワンオペ介護体験は続かなかったけれど、これは考えるきっかけになった。英語では、
It takes a village to raise a child.
(一人の子供を育てるのには、村が必要)
という表現がある。元々はアフリカのことわざらしいけれど、本当にそうだ。ワンオペで全部やろうというのは、明白に無理。既に無理、大人の介護でも無理!諦めが早い私は、早々に一人では頑張らないことにした。
今まで、人生の試練は年々レベルアップしてきたが、大概のことは自力で乗り越えてきた。でもそれは、私が若く、そして自分のことと仕事さえ回してれば良かったからだ。そりゃぁ失恋で心が死にかけたりしてたが、自分さえ頑張ればどうにかなっていた。だがその自分回しに加えて、物理的に私の手が必要な他の人の面倒を見る、というのは次元が違う。しかもそれを海外で、第二言語でやろうってんだから、こりゃてーへんだ。
今回のことで、基本的に独身貴族を謳歌してきた私は、文字通り、家族とお互い支え合って生きる、ということの感覚を少し感じることになり、生きる目線と視界が変わった気がする。目線が、仕事を猛然とこなすことにやりがいを感じる人生から、家族・周りの人と一緒に生きていくことにフォーカスする人生、に明確にシフトした気がする。キャリアを放棄したという意味ではなく、ある意味で自分中心、キャリアにおいて情熱の赴くままに没頭するのではなく、
家族と一緒に生きていくことにプライオリティを置く、
ということ。そして自分の家族だけでなく、海外なので、普段から、同じように海外暮らしをしている周りの友人たちとも助け合って生きていく、ということ。
これは新しい感覚だけど、人生に深みが出たような気もする。
不妊治療:アメリカで不妊治療する際に大事な点など
とりあえず採卵が終わったところだけど、私の体験から考えた、アメリカでの不妊治療に関して大事なポイントを一旦まとめてみました。
- クリニック選びは大事!そしてアメリカだけに、クリニックを指定してくる保険会社選びが大事。最初に通った全米最大手のSGFは、何から何まで対応が遅く、こっちがフォローアップしないとダメで、さらに失礼な人や礼儀を欠く態度が多くて、本当にイライラしました。体の負担もストレスもマネジメントの量も半端ない不妊治療において、これは大きなマイナス要因。SGFの評判の悪さはいろんな方面から聞いていたのですが、当時の保険(カイザー)だとSGFにしか保険が降りないということで仕方なく行ったわけですが、翌年に保険を変えてでもCCRMに乗り換えて良かった。ナースは優しいし、サービスは良いし、日本並みの対応の速さと丁寧さ。何より信頼できる。これでダメなら仕方ないと思える。ということで、不妊治療を考えている人は、保険からまず攻略しましょう。
- 保険が効く州なのに、医療保険会社が却下してくるということは、珍しくはないらしい。不妊治療している人をたくさんみている鍼の先生曰く、あるあるなんだそう。マジか。アメリカの保険会社は本当に姑息で、何かにつけて却下してきて、こっちがあれこれ追求してもお願いしても、のらりくらりと回答を先延ばし。「30日以内に回答する」とか言っておきながらそれも放置し、こっちが嫌になって折れるのを待っている。そういうことも往々にしてあるらしい。全く嫌な産業だが、とにかくアメリカで暮らす以上は保険会社との戦いは免れない。これも加味して早めに不妊治療を始めるか、あの手この手で保険会社を折れさせるための手段を講じて諦めないか、しかなさそう。
- ゆえに日本よりも時間がかかると心得よ。前倒しで始めるべし。上記ポイント1と2により、医療保険絡みで取られる時間が非常に大きく、私などは治療に漕ぎ着けるまで、ガッツリ1年半もかかりました。CCRMに切り替えてからだけでも、10ヶ月かかっている(まぁ脳損傷問題で2ヶ月ほど、普通の人よりもさらにロスしていますが)。
- 不妊治療で高いのは、手術費用よりも、不妊治療薬代。保険が効かないと、薬代だけで8000ドルとか9000ドルとかしてしまうらしい。1サイクルでうまくいくわけではないので、これは洒落にならない。やはり保険が効く州に移住するか、不妊治療ツアーをメキシコかウクライナなどに行ってやるしかない。メキシコ行きは実際考えたんですが、最終的に保険が部分的に降りたので、比較検討してやめました。まだ集計してませんが、今回の総額は、7000ドル以下くらいの範囲に収まりそう。
- 先生を信頼できるというのは大事。なんせ、卵の発育にストレスは大敵。手術そのものも、とんでもないところを何人もの人が見るわけで、「この先生なら」と思える、できれば尊敬できる先生の方が絶対にいい。私は先生の経歴を読んだ上で、この先生にしました。
- 果たして6サイクルもできるのか?日本のように点鼻薬で、一回30万程度ならまだしも、これだけお腹に針を刺してアザ作ってまでホルモンをバンバン入れ、普通なら1つだけ育つはずの卵を何個も育たせるのだから、正直、体への負担はそれなりにあるし、実際に感じる。これにかかる時間や夫の協力も欠かせない。42歳の成功率は5%強だったので、打率3割に達するためには6回は必要、と単純計算したわけですが、この金額と体への負担、私生活への負担を考えると、流石に6回は無理かもしれません。「途中で諦めた」という人の気持ちもわかります。
- ちなみに上記、「6サイクル」というのはちょっと間違いだったかもしれない。1回の採卵で、例えば採れた卵のうち3つか4つの卵の調子が良ければ、1回の移植でうまくいかなくても、2回目の移植でうまくいくかもしれない。というわけで、打率3割に届かせるためには、必ずしもサイクルの数ではなく、採卵できて質が良かった卵の数もおおいに関係してくる。つまり、数サイクルと数回の移植、の組み合わせでも良いということだと思う。冷凍と移植そのものは1000ドル強程度(保険後)だったので、1サイクルが200万だったと仮定しても、例えば200万X6回ではなく、200万X3回+10万X3回かもしれないという計算。
- 1回で取れる卵の数は、人による。30代では15個くらい採れるそうで、40代になると、全く採れない人や3つくらいの人もいるらしい(何処かのクリニックのページによる情報)。そうなると、そこからまともに受精して、かつまともに細胞分裂してくれる卵、となると確率はどんどん減っていく。どうやったら、健全な卵を数多くお腹で作れるのかはよくわからない。私は「並外れて良い子宮」とお医者さんに言ってもらえたのだが、子宮ケアなんてしたことないし…。まぁでも、一般的・素人的には、良い食事をとり、運動し、睡眠をしっかりとる、という生活を続けていることは、少なくともマイナス要因にはならない気はする。
- 採卵までの2週間は、何もできない!早朝は予定は一切入れず、基本的にストレスフリーな環境を作っておくのは大事。まぁしかし賭け金は7000ドル近くなので、こっちも不妊治療を最優先にしたくはなる。
- みんなが不妊治療できるわけではない。教員などで保険が全てカバーする場合はラッキーだけど、運悪く、体外受精に保険適用が義務付けられていない州だったりしたら、アメリカのIVFはめちゃくちゃ高額。世界的にアメリカの不妊治療の成功率は日本よりずっと高いですが、それでもとにかく、何度もできる金額ではない。でも、その分、助成金プログラムもたくさんあるし、他の国に出向くという手段もある。いずれにせよ、カップルにとって、相当時間と労力を割く大仕事であることは間違いない。
まだサイクル1回終わったというだけなので、またアップデートするかもしれませんが、とりあえずこんなところかな。これからやってみようかと考えている人などの参考になれば嬉しいです💕
これまでの経緯はこちらよりどうぞ。